2004年北海道(道東)釣行記

昨年に続き、今年も道東にカラフト鱒を釣りに行ってきました。いつもは管理釣り場専門の私たちにとって、1年のメインイベントとも言える釣行ですが、この夏の暑さにやられてすっかり体調を崩した私は出発の前日まで寝込んでいました。正直なところハードな釣りができるような状態ではなかったのですが、北海道についたとたんつきものが落ちたみたいに回復し、民宿本間のおかあさんの心づくしのお料理がいただけるようになり、丸1日ゆっくり休んだら「釣り?OK!」になってしまいました。道東の懐の深い自然とあたたかい人情に癒されたと心から思います。1週間の夏休み前に急に休んだ私を気遣い快く許してくれた同僚たち、あたたかく迎えてくださり心をくだいてお世話してくださった民宿本間の本間宏次・正子ご夫妻、そして誰よりも、私のわがままに辛抱強くつきあい面倒を見てくれた夫(くま)に感謝したいと思います。

2004年8月23日 知床半島・クズレ滝

5時~10時30分 さちこ:4匹(カラフト鱒)、くま:4匹(カラフト鱒)
使用タックル さちこ:カーディフモンスターリミテッド83、DAIWAセルテート2500、ファイヤーライン16lb
くま:Super Stinger72、DAIWAルビアス2500、ファイヤーライン16lb
ヒットルアー リッジ90F黒銀腹赤、タスマニアンデビル13.5g各色、Answer13g銀赤

午前3:20大木船長の光篤丸で相泊港を出航しました。同乗者は26人。こ、混んでる。
光篤丸は浜に直づけできないので、天神船長の英人丸を曳航して、上陸する時は英人丸を使うことになります。今日は波も穏やかなので、最も半島の先端に近いクズレ滝のポイントまで連れていっていただきました。今年は水温が高く、まだカラフトの群れが岸よりしていないそうなので、半島の先っぽの方が釣果が出ているようです。
4時半頃クズレ滝に到着。ゆるやかなカーブを描くワンドの海に向かって右半分はゴロタ石のサーフ、左半分は岩場になっています。写真奥の岩場にガケから流れ落ちる滝が注いでいて、やはりここが1番いいポイントだそうです。私たちもはじめ滝のそばに入ったのですが、ここで事件が...リールに抵抗があり竿先が入った瞬間くまがあわせると、すっぽ抜けたスプーンがまっすぐ飛んできて竿を直撃、ティップが折れてしまいました!ああ、大事なStinger Luxaが...まだ今年は一匹も釣っていないのに...泣く泣くLuxaをしまい、Super Stingerに換えるくま、でも当たりはありません。ショックで釣りに集中できないし、足場が悪くあぶないので7時頃サーフに移動する事にしました。浜の右奥側に空いている場所を見つけ、隣で置き竿して休憩していた女性2人にうかがうと、朝一は何本か上がったが今は誰も釣れていないとの事。ところが、目の前で魚がはねました。
何を思ったか、くまは今まで使っていたスプーンをミノーに付け替えてトゥイッチ。本人曰く、重いスプーンは投げられないから、スプーンより軽いミノーにしただけだとか。でもこの選択が大当たりで、連続ヒット。立て続けに銀ピカのカラフト鱒をゲットしました。ライトタックルなので竿がバットからしなり、とっても楽しそう。まわりで釣っていたエサ釣りの人がざわざわ。「ルアー? なに使っているの?」と聞きに来る方までありました。「ミノーですよ」というと、びっくり。ここではミノーでのカラフト鱒釣りはメジャーではないようです。西村さんは一昨年この浜で、やっていたのに。

(写真) カラフトの首を絞めるくま。
くまがミノーでヒットしているのを見て、魚にやる気があると思い、私は動きの派手なタスマニアンデビルを使うことにしました。2投目にすごい勢いで魚がチェースしてくるのが見えて、3投目にヒット! 私のタックルはモンスターリミテッドなので楽勝!と思っていたら、今年の魚は猛烈にパワフルで思いっきり走られてしまいました。
ドラグをジージー鳴らすファイトの末、どうにかランディングすることが出来ました。60cmクラスのオスでした。よかった~。
ルアーをタスマニアンデビルに換えたのは大正解だったようで、この後1時間くらいの間に後3本追加。スプーンや、ミノーも使ってみたのですが、この日はタスマニアンデビルでしか釣れませんでした。

これを見ていた同船の釣り人さんは、帰港するなり釣具屋に直行してタスマニアンデビルを2つ購入したそうです。翌日もご一緒したのですが、その時にお話ししてくださいました。そして「今日はスプーンなんですね」って、とっても悲しそうでした。だって(翌日は)風が強くてタスマニアンデビルじゃ飛ばなかったんですもの。
本日の釣果。オスが6匹、メスが2匹。どうも攻撃性の高いオスの方がよく釣れたようです。(メスは、エサの方に興味があったのかも?)
60cmクラスも数本まじり、どの魚体もピカピカ。
匹数は少なめでしたが、1匹釣ると腕ぱんぱんなくらいパワフルで、満足のいく釣行でした。



2004年8月24日 知床半島・モイレウシ

5時~7時 さちこ:1匹(カラフト鱒)、くま:3匹(カラフト鱒、ガヤ)
使用タックル さちこ:カーディフモンスターリミテッド83、DAIWAセルテート2500、ファイヤーライン16lb
くま:さちこのタックルをそのまま流用
ヒットルアー Answer16g銀赤濃紺、BITE 16g 緑オレンジ

渡船2日目、今日は風が強く波も高いので近場のポイントであるモイレウシに渡りました。ここは昨年も来たところです。湾の右端の岩場に入り、釣り始めましたが、魚の群れが沖目にステイし、なかなか岸よりしてきません。私のキャストでは魚のいる所まで届かないので、苦戦しました。
結局2時間の内に魚は2回くらいしか岸よりしてきませんでしたが、その時にかろうじて1本キャッチすることができました。これも60cmを超える大型のオスでした。
今日のアタリは昨日とは違い、もぞもぞとした小さなアタリで喰いも浅いようでした。くまは昨日折ってしまった竿のかわりに、RYOBI StreamLine サクラマススペシャルを買ったのですが、この竿は強いのですが感度がイマイチで、シャープなアワセがききません。そのため連続してバラシていました。それを見て私は、どうせ私のキャストでは魚のいるところまで届かないので、タックルを換えようと申し出ました。水面が荒れていて、くまには魚の群れの位置が見えにくかったようなので、私はコーチ役にまわり、「もう少し右。あと5mくらい遠く」と指示をだしていました。ほどなく、くまが一匹目をキャッチ。それから暫くはアタリがなかったのですが、1時間ほどたったころ、沖目でヒット! 結構長い時間ファイトして上がってきたのは、65cmの立派なオスでした。本間のお母さんがアキアジと見間違えるくらい大きな魚でした。
この日はとにかく風と波が強く、釣りにはなりません。8時くらいには皆さん釣りを止めて、船着き場(湾の左端の砂浜)で、ぼんやり帰りの船を待つしまつ。通常であれば昼くらいに迎えの船がくるのですが、9時に天神船長が迎えにきてくれました。「早いけど、こういう日もあるよ。」とやさしい声をかけてくださいました。おまけに今日は釣れなかったろうと、魚を用意して下さり、「魚ほしい人いるかい?」と一人2本づつくださいました。「魚?そりゃあほしいわ、私ボウズだもん」という方もいて、船長のお心使いを喜んでいらっしゃいました。

さて帰りの船は、予想に違わずジェットコースター状態。波に乗り上げてはドーンと落下。体が浮いておしりから甲板に叩き付けられます。頭の中で誰かが「ケツがいて~!!!」と絶叫し、それを誰かが「いけないわ、ケツだなんてお下品。おしりって言わなくちゃ」とたしなめていました。
宿に帰って本間のお父さんにお願いして魚の処理をしてもらいます。はらわたを出して、卵は海洋深層水で洗ってから醤油漬けに。はらわたを出した魚は、くまがメフン掻きという優れ物の道具で血合いをとり、ブラシでよく洗いってから、マイナス30°で急速冷凍。こうすると鮮度が落ちず、生でも食べられるようになります。



2004年8月25日 知円別漁港

10時~10時半 さちこ:5匹(ガヤ4匹、ギスカジカ1匹)
使用タックル さちこ:サスペンドSP-600HQ PR、TwinPower 1000、ファイヤーライン8lb
ヒットルアー ジグヘッド+赤いワーム

今日は羅臼から標津へ移動する日です。民宿本間のお父さんとお母さんに見送られて出発。おかげで元気になりました。ありがとう。出がけにお父さんがくまに声をかけました。「東京帰って元気をなくしたら、梱包して送ってください。また元気にして送り返しますから。」
時間があったので、知円別の漁港に寄ってみました。ここの港は港の中に直接川が流れ込んでいて、その河口でカラフト鱒が狙えます。
私は北海道に来たらやって見たかったガヤ(エゾメバル)釣りをしてみました。岸壁沿いにゆっくりワームを落とし、上下させると、小さな魚がわいてきます。
これはギスカジカ。小さいながらもビクビクッて引いて、たのし~。
もしかして、カラフト鱒よりもこっちの方が好きかも。



2004年8月26日 釧路川(ドリフトボート)

6時~12時 さちこ:6匹(アメマス4匹、エゾウグイ2匹)、くま:2匹(アメマス)
使用タックル さちこ:Super Stinger 72、ルビアス2500、ファイヤーライン8lb
         くま:Surface Twitcher 68、セルテート2500、ファイヤーライン8lb
            サスペンドSP-600HQ PR、TwinPower 1000、X-Texトラウト 6lb
ヒットルアー シュガーデープ ショートビル75F パールヤマメオレンジベリー、トラウトチューン55ヘビーウェイト BY、
        D-コンタクト 黒金

今回の北海道釣行のハイライト、昨年もフィッシングガイドをお願いしたアースサークル社の釧路川ドリフトボートツアーです。ラフティング用のボートにアメリカ製のフレームを取り付けたもので、前と後ろに釣り人用のチェアがあり、ガイドさんが真ん中でボートをコントロールします。
コースは釧路川の中下流域、塘路よりちょっと上流の五十石橋から入川し、コッタロ展望台の近くまでの12kmを6時間かけてゆっくり下ります。川の流れに乗って下りながら、両岸や下流の流心にダウンストリームでキャストします。ところどころのポイント(川の流れ込みなど)ではボートを止めてじっくりキャストさせてくれます。

ドリフトしながらだと自分も進んでいるのでさほどでもないのですが、ボートが止まると、実に水押しが強くて流速も早いのが分かります。バランスの悪いルアーや抵抗の大きなルアーは流れに負けてしまって泳ぎません。
開始30分しないうちにくまがファーストキャッチ。40cmくらいのきれいなアメマスでした。続けてヒットしましたが、今度はバラシ。私は、ロッドに慣れるのにしばらくかかり、開始1時間くらいたってから、ようやく1匹目をヒットしました。
魚の活性は高く、ミノーをベリーフックからがっぷりくわえてくれました。

ガイドさんのお話によると、魚は流心脇のカケアガリや両岸の木の下についているとのこと。あまり厳しいところを攻めなくても大丈夫だということでしたが、当日は先行するボート(上から下まで新品の高級ウェアと高級タックルで身をかためたカップル)があり、天気もドピーカンだったためか、両岸のかなり厳しいところを狙ってキャストしないと魚が出ませんでした。何度か木にかけてしまったのですが、その度にガイドさんが重労働(強い流れに逆らってボートを漕いで)で木に寄せてくださいました。
キャッチしたのは48cm良型のアメマス。とても嬉しい。

(写真) アメマスの首を絞めるさちこ。
その後、良いところに入ったなと思うとヒットがあり、35cmと40cmオーバーを追加しました。

川の中からの両岸の風景がとても美しくて気持ちが良かった。
後半、川が自然蛇行に入ってからのヒット。
当日ガイドして下さった斉藤さんとくま。
キャストしながら下り、止まってキャスト、を繰り返し開始2時間半くらいたったとき、くまに大物がヒットしました。「でかい! カラフトじゃないか」とガイドさんの声でドラグを緩めるくま。ところがジャンプし、水面で身をくねらせたのは巨大なアメマス。私が自分のルアーを回収してくまの方を見ると、ええっ?!そっちのタックルなの?6ftのパックロッド、リール1000番、ラインは6lb。それからというもの魚が暴れるたびに私はどきどき、なのにくまは余裕たっぷり。ようやく近寄ってきた魚の口には、2本のフックががっちりかかっていました。ガイドさんの差し出すネットに体半分しか入らずに、一回目は失敗し、二回目にようやくランディング(もっと大きなネット持ってきてよ~、できたらラバーネット)。キャッチされたのは海から上がってきたばかりの、ぱんぱんに太ったメス65cm。白い大きな斑点が美しく、丸太のような魚体が印象的でした。ランディング時にラインを巻いてしまい出血したので、リリースを優先し、まともな写真が撮れませんでしたが、ガイドさんの靴との対比で大きさがわかりますか?
ボートの後ろに座っていたくまは、自分では魚をほとんど見ていないそうです。でも「ああ楽しかった」だって。
私はその後40cmオーバーのアメマスをもう一本追加しましたが、くまはすっかり満足したのか、良型をかけて手元バラシ(オールにラインが絡まったので、緩めた)をしていました。ツアー開始後4時間くらいたったころ、私にまたヒット。これはちっちゃいと思って寄せてきたら、やってしまいました。(う)です。

朝伺ったお話で、アースサークル社の Teddy さんの呪い(お客さんが最初にウグイを釣ってしまうと、その日のツアーはもうダメというジンクス)があり、ウグイだったらネット出しませんからと斉藤さんも笑っていたのだけど、本当にネット出してくれなかった~。恐ろしいことにその後私は(う)をもう一匹釣ってしまい、そのまま納竿。(う)は、打ち止めのウだったようです。

川の上でお弁当をいただき、12時ころに上陸しました。斉藤さん、どうもありがとうございました。



2004年8月27日 忠類川

5時~9時 さちこ: 聞かないで、くま:1匹(カラフトマス)
使用タックル さちこ:カーディフモンスターリミテッド83、DAIWAセルテート2500、ファイヤーライン30lb
          くま:StreamLine サクラマススペシャル、DAIWAルビアス2500、ファイヤーライン40lb
ヒットルアー サトウオリジナル Answer 16g 赤銀

忠類川、時折小雨がぱらつき冷たい風が吹きました。日差しが出ると暖かかった。川は渇水がひどく、魚が遡上できない状態が続いていました。ストックされた魚も活性が低く、口を使わない状態です。
朝一最下流「テトラ」のポイントでくまがフレッシュランのメスをキャッチしました。私は2バラシのみ。2年連続の でした。忠類川なんて、きらいだ~。魚いないし、スレてるし、スプーン沢山なくなるし(この川での釣りは、スプーン泳がすのではなく、底を転がす釣りです)。しくしく。折角ホテル川畑の長田さん(渋谷に住んでおられたそうですが、北海道に惚れ込んでこちらに移住されたそうです)がテトラポイントを教えてくださったのに。
帰ってからお話すると、「2バラシなら良い方ですよ」だって、今年はそんなに状態が悪いのかと.愕然としました。漁協を始め地元の方々のホスピタリティーには頭が下がる思いなのですが、この状態ではちょっとしんどいな~。
今回の釣行でルアーを沢山無くしてしまいましたので、帰りがけにランカーズクシロへ。ここは道東で唯一の本格的なルアー・フライショップです。旅人に対する情報提供も親切だし、品揃えも抜群。

今回は、もう買えなくなってしまったザウルスのRex Deepを見つけました。