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北方種のコダックの姉妹 追加 2010-10-23
Iの悲劇 追加 2006-02-03
Veryごめんなさい 追加 2005-09-01
柿田郎さんは辛い物好き 追加 2004-09-11
だんな、だんな、着きましたぜ 追加 2003-12-18
ここは何処? 追加 2003-12-18
くまの仕事仲間のIさんは、辛いものがとっても得意。世界で36番目に辛いデイブ社の狂気辛味(Insanity Source)も最初こそ辛いので3ヶ月では食べ終わらないと言っていたものの、1月もすると平気だよと数滴食事にかけられるようになっていたらしい。このソースの辛味は8万スコピルでタバスコソースの約40倍。スコピルというのは辛さを計る単位で、その値まで水で希釈すると人間が辛さを感じなくなるのだという。それならというので、10月頃100万スコピルの狂犬の復讐というホットソースを仕入れてIさんにプレゼントした。どうやらこれはそうとう効いたらしく、「すいません、年末までに食べ切れません。劇薬なので子供のいる家にも持って帰れない」と言っていました。そうだろう、そうだろ。さすがにこれは降参だろう。
1月の終わりにIさんにお会いした時、Iさんが「実はくまさんに謝らなくてはいけないことがあるんです」と言う。どうしたのかと聞いて見ると、差し上げたホットソースを3分の1程食べた後、全部こぼしてしまったらしい。Iさんが言うには、「会社の忘年会の時、話のネタにこれはすごいだろうと、Iさんの周りのうかつな人にそのホットソースを味わわせてもりあがっていたんです。そして酔っ払って帰って、コートのポケットからホットソースを取り出そうとした時、蓋が開いてしまって、中身をぶちまけてしまいました。」
それは大変。地獄絵が目の前に浮かびます。大丈夫だったのかと聞くと、3日くらい辺りが唐辛子臭いとうんと奥様に怒られたそうです。でも被害はそれだけではなかったとのこと。ソースがついてしまったので、Iさんは慌ててコートを風呂場に持っていって洗ったそうな。そして運悪くそのコートには、iPodが入っていたそうな。酔っ払っていたのでiPodを取り出さずに洗ってしまったので、iPodはおしゃか。もちろん水で洗ったくらいでは、ホットソースは取れません。コートは赤く染まり異臭を放っていたそうです。しかたがないのでクリーニング屋に持っていくと、「これはお預かりできません。唐辛子は取れないんですよ」と、断られてしまったそうです。もちろんこれで、コートもおしゃか。「洗ってしまったiPod、2万円。ソースがついたコート4万円。話のネタ、プライスレス。会う人毎にこの話をしていますから、元はとれました。」 Iさんは笑っていました。男だね〜。
「ところで、手で洗ってしまったんですか?手の方は大丈夫でしたか?」 くまはIさんの手を心配しました。「まあ、酔っ払っていましたからね。でもその後1週間くらい、別になんでもないのに、なんか手の平がひりひりしました。 それから僕はいつもジャージを着てねているんですけど、朝起きたらなんか膝のあたりが痛いんですよ。酔っ払ってぶつけたかな、と思ったけど痣にはなっていない。良く見たらジャージの膝のところに1滴赤い染みができていました。コートを洗った手でさわっちゃたんですね。」
実はIさんと会った前日がIさんの誕生日だったそうです。Iさんの話によると、Iさんは奥さんにお願いして、誕生日のプレゼントとして新しいiPodを買う権利をもらったそうです。「コートにしようか、iPodにしようか迷ったんですけど、iPodにしちゃいました。」 Iさんは明るく言いました。「iPodを買ってもらったんじゃなくて、買う権利をもらったんですか?」 くまが聞き返すと、「はい、お金は私の財布から出ました。でも、さすがに酔っ払ってあんなことしちゃった後ですから...よく許してくれました。」
一部のホットソースは劇薬です。充分注意しましょう。
Iさんごめんね、くまがあんなものあげたせいで... お詫びにもっと辛いソースを差し上げますから...と言いそうになって、さすがに思いとどまりました。
仕事柄くまは海外出張に行くことが多く、年に何度も飛行機に乗ります。そのつど思うのですが、スチュワーデスというのはとても大変な職業です。勤務時間が長いこともさることながら、後ろ向きに歩いてもつっかかったり転んだりしませんし、あんなに食器のいっぱい乗ったトレイをワゴンから出し入れして、手をいっぱいに伸ばしてお客さんの前のテーブルに置いても水をこぼしたりもしません。うちのさちこには絶対にできない芸当です。しかしどこにでも例外というものはあるらしく、時にはとても面白い経験をすることがあります。
くまがよく使っているNWAのシンガポール−東京便は朝が早く、6時にシンガポール空港を出ます。ですから帰国日の朝は3時起きです。とても疲れていて眠かったもので、手数料と1万マイルを払い、くまはビジネスクラスにアップグレードしました。最近のビジネスクラスのシートはよくできており、ほとんど真横にねせることがあります。エコノミークラスと比べると、天国と地獄ほどの違いがあります。食事も接客も、人間らしく扱ってもらえるので快適です。離陸後シートを少し倒しうとうとしていると、スチュワーデスさんがオシボリを持ってきてくれました。アメリカの航空会社なので、アメリカ人の年配のスチュワーデスさんか、現地(今回はシンガポール)の若い人が多いのですが、めずらしく日本の方のようでした。背が高く、スラッとしていて、若い頃の中島みゆきさんばりのなかなかきれいな方でした。「おしりが語るとよく言われるのよね〜、昔のあだ名はオットセイ」という、オールナイトニッポンでの中島みゆきの妙に明るい声が思いうかびました。ちょっとすると、ギャレーのところで、
ガラガラ、ガッシャ〜〜〜ン
という音が..... そして、「ごめんなさい」という声が小さく。
あの音は、ビールやジュースの缶を倒した音だな。 やっぱりスチュワーデスさんというのは大変な職業だな、っと、くまは思いました。ここまでは、まあ、たまにはある話。
食事が終わると、コーヒーやお茶のサービスがあり、その後食べ終えたトレイは手早く片付けられます。ワゴンを押してトレイを片付ける係りの方、コーヒーをサーブする係りの方、お茶をサーブする係りの方、この時間はスチュワーデスさんは総出で大変いそがしそうです。食事が終わり、陶器の大きなマグカップでコーヒーを楽しんでいると、またまたギャレーで楽しそうな音が
ガッシャ〜〜ン、ガチャガチャガチャ
ワゴンがぶつかって、金属のフォークやナイフが床にこぼれる音です。またやったか。ギャレーは狭いものな。でも本当に喋っている(歌っていない)時の中島みゆきさんのような人だ。いや〜、黙っていればきれいな人なのに。
到着の1時間前、フレッシュジュースと軽い朝食が運ばれます。ビジネスクラスの時は、あの味気ないプラスチックのコップではなく、グラスにジュースが注がれます。食事も卵か、ヌードルか、シリアルかどれか選ぶことができます。前の方から食事を提供していったワゴンは、ビジネスクラスの最後列まで行き、ギャレーに戻って行きます。そしてトイレの前を左に曲がりギャレーに入ろうとしたとたん、お約束のことが.....
ガッシャ〜〜〜ン!
今度はグラスがワゴンからこぼれて床に落ち、粉々に砕けた音でした。
さすがに今度は危ない。靴を脱いで靴下のままトイレに行くお客さんもいますので、壊れたグラスの破片をナフキンで慌てて拾い集めています。とても大変そうです。さすがに2回の食事で3回のがっしゃ〜んを聞いたのはくまも始めてだったのですが、一生懸命ガラスの処理をしている姿には同情しました。
と、べつのスチュワーデスさんがコーヒーのポットを持ってその横を通り過ぎてゆきます。手伝ってあげればいいのに、とくまは思いました。たぶんシンガポールの方だと思います。そのスチュワーデスさんは、小声で何か歌っているようです。
「ごめんなさい、ごめんなさい、 very ごめんなさい、ごめんなさ〜い。」
その時、くまは事態を理解しました。
これって、日常茶飯事だったんだ.........
片付けが終わると機長から到着に関するアナウンスがありました。あと30分ほどで到着するとのこと。この飛行中とっても面白いパフォーマンスを見せてくれたスチュワーデスさんは、慌てて電話機を取り、機内放送に切り替えて
「先ほど機長からのアナウンスにありました通り、当機はまもなくシンガポール空港に到着... あ、失礼いたしました。」
Mさん、最後まで楽しませてくれてありがとうございました。
帰ってからこの話をさちこにすると、さちこは一度親近感を覚えたような表情をして、そして寂しそうにいいました。 「やっぱり破壊の神と、あちゃらかの神はセットだだね。ほんとうに大変だだね。」 そして、「ごめんなさい、ごめんなさい、very ごめんなさい。」 どうやらさちこはこのフレーズが気に入ったようです。
柿田郎さんが辛いものが大好きだというので韓国みやげにコチジャンを差し上げた。いや〜、韓国で辛さになれちゃったせいか、さっきそこの焼き肉屋に行ってカルビスープとか石焼きビビンパを喰ったんだけど、全然辛くなくて物足りなかった、という話をすると、柿田郎さんがお客さんに話だしたことには、
辛い物は好きで毎日食べているさ、
よくインドとかパキスタンに行ったじゃない。あそこの食べ物は日本とは比べ物にならないくらい辛いさ。
でもこの前に行ったブータンはもっと辛かった。なんか辛さの次元が一つちがった。
でも一番辛いのは、くまさんに貰ったアメリカのホットソース。
あれは辛いでしょ〜。タバスコの何十倍の辛さっていうから。
そう最初にあれをもらった日、焼き肉だったさ。1滴だって言われていたから、箸で一滴とって皿の端につけた。それはよかったんだけど、その箸でつまんだ肉が大変だった。だからそれ以来箸はティッシュで拭くことにしているさ。頭いたくなって、本当にこりゃ〜病院いかないとだめかな〜って思った。ありゃ〜1瓶あれば本当に一生もつな。
いや、あれをアメリカでお土産に3本買った時に、店員がにこにこ笑いながら「ところで何人殺したいの?」って聞いたよ。
今度ブータン行くならあれを持って行って、「お前ら辛いのが好きだよな」って言ってヤツらの皿にドバドバかけてやる。
(か、柿田郎さ〜〜ん。 )
辛いのは得意だから、何でも大丈夫って言ったからあげたんじゃない。今頃白状するって、よっぽど辛かったんだね。それで、負けず嫌いだから直ぐには辛かったって、白状できなかったんだね。
柿田川フィッシュストーリーの3号池で、巨大なアルビノを指さしながら....
(さちこ) あそこのアルビノもうボロボロだよね。リストラしないの? (柿田郎さん) あれを掬うとね、壊れちゃうからな〜。このネット高いんだよ。 (さちこ) え、100円の換え網があるんじゃないの? (柿田郎さん) 網は100円だけど、フレームはチタン製だよ。
軽くて丈夫だから細く作れるでしょ。水の抵抗が小さいから、素早く掬える。だからとってもいいんだよ。(さちこ) すごい!! ハイテクなんだ。 (柿田郎さん) 流体力学を使って形状を工夫すれば、もっと素早く掬えるようになるかもしれないね。 作るか。 (さちこ) それってすごく良さそう。圧倒的シェアがとれるかもしれない。でも日本全国で100本くらいしか売れなかったりして〜。 (柿田郎さん) 100本もでない、でない。 カーボングラファイトをケプラーで補強するという手はどうだろう。 ものすごく強くて反発力のあるリストラネットが出来たりして。 (by くま)
自宅で柿田川のホームページを見ながら....
(さちこ) あ、コーギーさんフィールド情報に、15分勝負終了後50cmアップを釣りましたって書かれている。 (くま) そう、なぜか終わると釣れるんだよね。勝負中は殺気でさかなも足元から離れちゃうし。 (さちこ) あれ、おっきかったよね。3号池サイズはあった。 (くま) でもあまり太くはなかったよ。 (さちこ) そこがいいんじゃない。北池のおさかなは筋肉痛で。 (くま) ほ、ほげ??? ○×△□!!!! (爆笑しすぎて咳き込む) (さちこ) (一瞬の間) ご、ごめんよ〜。筋肉質だよ〜。言い間違えただけじゃない。筋肉痛なのは釣った人間の方だよ〜。ごめんよ〜あやまっているじゃない。 もう忘れてよ〜。 さちこの言い間違いは、ときどき殺人的です。でも、あれだけ引くんだから人間だけじゃなくて、魚も筋肉痛になってもおかしくない。北池のさかなは筋肉痛って、ちょっといいかも。 (by くま)
むかし、むかし、ちょっとむかし。とある北国の街に、とても仲の良いコダック (北方種)の姉妹が住んでおりました。姉は天然、妹はぶっ飛んだ性格のコダッ クでしたが、心優しい、かわいいコダックの姉妹でした。
ある日寒い朝、姉妹はお散歩。新雪の上にぱたぱたと足跡をつけて歩いておりま した。新雪は足にやさしく、また雪の上にくっきりとつく足跡が面白く、姉妹は 上機嫌で歩いておりました。
姉妹が橋のたもとに近づくと、橋の欄干が霜できらきら輝いておりました。まる でアイスキャンディーのよう。
姉のコダックは、「おいしそう」とつぶやいて、ぱたぱたと欄干に近づきます。
もう皆さんは分かりますよね。コダックはとっても食べ物に弱いんです。おいし そうなものには抵抗できないんです。なんせコダックですから。
くわぁっくわぁっくわぁ〜〜〜! 大きくくちばしを開いて姉のコダックは欄干 の金属のところにかぶりつきました。
と、...とても冷えた金属にくちばしをつけてしまったものですから、コダッ クのくちばしは欄干にはりついてしまいました。
慌てた姉のコダックは、しっぽをふりふり、足をぱたぱた、くっついてしまった くちばしで、
くわぁくわぁくわあ〜〜〜〜〜! と妹に助けを求めます。くわぁっくわぁっくわぁ〜〜〜〜! (助けて、助けて、とれないよ〜)
ぱたぱたぱたぱた、くわぁくわぁ〜〜! (御願い、助けを呼んできて)それを見ていた妹は、首をかしげて思いました。
お姉ちゃん、な〜〜にやってんだか。またまた〜そんなくっつたふりなんかし て〜〜〜!
妹はゆっくりぱたぱたと姉に近づきます。姉は必死でくちばしをはがそうと、しっぽをふりふり、足をばたばた。
お姉ちゃんのうそつき。そんなふりなんかしても騙されないもん。妹は姉のまね して口を大きく開きます。
なっ、なにしているの!!! 姉は大慌て。
でも、姉のことをまったく信じていない妹は、そのまま欄干をぱくっ。
もちろん、妹も欄干にくっついてしまいました。
くわぁ〜〜〜〜、くわぁくわぁっ、くわぁ〜〜〜。姉妹してしっぽをふりふり、 足をばたばた、どうにかくちばしを欄干からはがそうともがきます。でも、どう してもはがれません。
くわぁ〜〜〜。これでもう助けも呼べなくなってしまった。どうしよう。
でも、よかった二人でくっついて。だって、助けが来てくれたとき、私一人だっ たらとっても恥ずかしいじゃない。
天然の姉は静かに思いました。それから二人が無事に助けられるまで、姉妹は幾多の試練を乗り越えなくてはな りませんでした。でもそれはまた別のお話。
北の国のかわいいコダックの姉妹のお話でした。
このお話はフィクションです。実話ではありません。ですから、けっして北の国 の水辺で釣堀を営んでいるご家族の姉妹のことではありませんので、念のため。 その姉妹の子供の時に実際にあった話だなんてことはありません。ほんとだって ばぁ。
歳も暮れ、忘年会のシーズンです。さちこの友人のNちゃんの旦那さんのGG君)は、お酒が大好き。つい飲み過ぎてしまいます。平気な顔で楽しく飲んでいて、突然前後不覚。それからの記憶がありません。このお話は、そんなGG君とNちゃんのお話です。その日もGG君は、べろべろになって、お家に帰り着き、玄関で寝てしまいました。家の中から出てきたNちゃんは、「ああ、またお布団まで連れて行かなければならない。重いのにな。」とため息。その時、Nちゃんには、一つの考えが浮かびました。
(Nちゃん) だんな、だんな、着きましたぜ。 (GG君) え〜どこですか〜。(GG君は寝ぼけています。) (Nちゃん) だんな、寝ぼけないでください。だんなのお宅ですよ。 (GG君) あ〜そうですか。ありがとうございました。(GG君は身を起こします。ヤッターとNちゃんは思いました。) (GG君) え〜と、おいくらですか〜。 (Nちゃん) ?? (Nちゃんは、はっとしました。しかしそこはNちゃん) (Nちゃん) 8千円になります。 (GG君) あ〜そうですか。(GG君はお財布を探ります。そしておもむろに1万円札をつまみ上げ) (ガリガリくん) インクルード、チ〜〜〜ップ!! こうして、Nちゃんは、GG君をベットまで運ぶことの報酬を、まんまとせしめました。
そして、その翌週。GG君はまた酔っぱらってご帰宅。Nちゃんは思いました。1万円まで大丈夫。
(Nちゃん) だんな、だんな、着きましたぜ。1万円です。 (GG君) ありがとうございます。(GG君はお財布から1万円を取り出してNちゃんに手渡し、ばたっ。 Nちゃんには、またいたずら心が起こりました。) (Nちゃん) だんな、だんな、着きましたぜ。1万円です。 (GG君) え〜〜。(GG君は、今度は不満顔です。) (Nちゃん) やっぱり、2回は無理か。(Nちゃんは、心の中で思いました。) (GG君) だって、吉祥寺から乗ったんですよ〜〜。(GG君は、くいさがります。) (Nちゃん) !! だんな、すいやせん。6千5百円の間違いでした。 (GG君) そうでしょ〜〜。しっかりしてくれなきゃダメじゃないですか。(GG君は、文句をいいながら、お財布をさぐります。) (Nちゃん) ありがとうございました。気をつけますんで、今後ともよろしく。 NちゃんとGG君の戦いは続きます。Nちゃん、今年はいくら儲かった?。 (by くま)
今回のお話は、GG君がまだNちゃんと結婚する前のことです。GG君は、アメリカに行ってしまわれたご両親のマンションに越してきて、一人で住んでおりました。GG君はとても暑がり。その日もとても暑い夏の夜のことでした。 「あ〜疲れた。」 GG君はいつものようにマンションに帰ってきて、いつものようにエレベーターに乗り、自分のマンションのドアの前に立っています。ご本人の名誉の為に言っておきますが、GG君はいつもいつも酔っぱらっている訳ではありません。この日だって、仕事からまっすぐに帰ってきました。
GG君はドアの鍵穴にキーを入れ、キーを回します。ドアの取っ手に手をかけ、それを開け、疲れた体を部屋の中に滑り込ませます。玄関の電気を付け、靴を脱ぎ、GG君は思いました。「さて、洗濯しなくっちゃ。」
鞄を玄関の靴箱の上に置き、ネクタイを取ります。額の汗をぬぐって、ワイシャツを脱ぎます。シャツも脱いで、ベルトをゆるめ、ズボンから足を抜きます。廊下を歩き終え、居間に入り、右手でスイッチを探って部屋の電気をつけました。
そ、その時、GG君の目に飛び込んだものは、自分の部屋の家具ではありませんでした。
こ、ここはどこ?
GG君の頭は、真っ白。 一瞬の後、やっと今自分が別の部屋に闖入してしまったことに気がつきました。この部屋の住人がドアを開けたまま外出してしまったのは、神様のいたずらだったのかもしれません。鍵が回ってしまったのは、偶然GG君の部屋の鍵の山が、この部屋の鍵より低かったせいでしょう。でも、そんなこと、他の人から見たら関係ありません。半裸の男が、他人の部屋の中で立ち竦んでいるだけです。 GG君ぴ〜〜〜〜んち。
きゃーーという、その部屋の住人の声が頭の中で鳴り響きます。
GG君は、今来た廊下を後ずさりながら、ズボンをはいて、ワイシャツに袖を通し、鞄を脇にかかえてドアの外に飛び出しました。(まるで浮気現場を発見された間男みたい。) ここは、どこ? GG君は恐る恐るドアの横の表札に目をやります。 そこには自分の名前はありません。 そしてGG君の目に映った部屋番号は.... GG君の部屋の一階下の部屋のものでした。GG君、家の人がお留守でよかったね。警察に突き出されなくて本当によかったね。 でも、その後、謝りに行かなかったの? (やっぱ、行ける訳ないか。) (by くま)
いくらなんでもうそだって思うでしょ。でも、ほんとにほんとなんだよ。(by さちこ)
その時、さちこの友達のダンナさんのOさんは、黒い皮のジャンパーを着て黒いウエストポーチを付けて、イタリアの町を歩いておりました....
とある交差点で信号待ちをしていたOさんがふと脇を見ると、一台のオートバイが疾走してきて、歩道側に大きく車体をバンクさせ Oさんが立っている交差点を曲がってきた。ほとんど歩道すれすれ。あぶないな〜、とOさんは思った。
バイクの男は曲がりざまにOさんのウエストポーチに手を伸ばした。(あ、危ない!!)
次の瞬間、Oさんの腹部にむんず、とみょうな感触が....... 。
Oさんのお腹のお肉を力いっぱい掴んでしまった引ったくり犯(未遂)は、ものすご〜く動揺して走り去っていったとさ。人ごとではない、危ないよね〜。外国では気をつけなければ。やっぱり、ウエストポーチとジャンパーは別の色にしなくちゃね。 (by くま)
その日さちこは仕事で外出して帰社したのが12時過ぎ、一人で食堂でお昼を食べておりました。そこに通りかかった同期のK子ちゃん、 「あれ、一人〜」と声をかけて、時間があったのかテーブルに座ってお喋りを始めました....
(K子ちゃん) あたしね〜、このあいだ病院に行ってきたの。 (さちこ) え、どっか悪かったの? (K子ちゃん) この一年くらい、ずっと食べ物を食べようとして口を開けると、アゴが痛くて口が開かなかったの (さちこ) え、それじゃ何も食べられないじゃない。 (K子ちゃん) でもね、初め痛いのをがまんして思い切って開くと、アゴのところがカクッていって、そうすると痛くなくなるの。 だから、一瞬だけなんだ、がまんしてエイってやれば痛くなくなるんだと思ってずっとそのままにしてたの。 (さちこ) うんうん。 (K子ちゃん) こないだ、歯医者さんに行ってアゴのレントゲンを撮ったの。そうしたら先生が「アゴおかしくない?」って聞くから、 この話をしたら、「あのね、これ、外れてるよ。」って思いっきりいわれたの。だから病院に行って嵌めてもらったの。 (さちこ) そ、それって.... あの、一年間.... あご、カックンてやって暮らしてきたの。
治って、よ、よかったね......。(K子ちゃん) そうなのよ〜。たいへんだったのよ〜。 一年間、あごカックン。うーーん、我慢強い。
ちなみにK子ちゃんは、今はHさんの奥様になられていますが、その後もこういった楽しい話が尽きません。 (by くま)
今回もK子ちゃんのお話です。この話はK子ちゃんがHさんとご結婚されてからのこと。その日K子ちゃんは、さちこに訴えました。 時は3月のはじめのことでした。1月の末に足の甲を骨折していたK子ちゃんは、毎日痛さをこらえてHさんと一緒に家を出て、満員電車に揺られて通勤していました。......
(K子ちゃん) あたしね〜、今実家に帰っているんだ。 (さちこ) え、どうしたの? Hさん出張? (K子ちゃん) 聞いてよ、ひどいのよ。だってね、先週なんだけど、電車がうんと混んでてね、 乗り換え駅まで来たときに、「足が痛くて辛い」って話していたの。なのにダンナったら、全然聞いてなくって、 「あ、今日はティッシュ配ってないな」って言ったの! (さちこ) それで実家帰ってるの? もう一週間? (K子ちゃん) そう。 (さちこ) Hさんって、ひどい花粉症だったよね。 (K子ちゃん) そうなのよ。あたしがあんなに辛くて訴えてるのに、頭の中ティッシュのことでいっぱいだったの! (さちこ) え〜帰らなくていいの〜? 連絡とかしているの〜? (K子ちゃん) 冗談じゃないわ。あたしとティッシュとどっちが大切だと思っているのよ。
謝って迎えに来るまで絶対に帰らない。その話を漏れ聞いて、Hさんの同僚で、さちこやK子ちゃんの同期のYちゃんのダンナさんのUさんがHさんに聞きました.....
(Uさん) Hさん、奥さん実家に帰っちゃったんですって?
K子さん「あたしとティッシュとどっちが大切かって」怒っているそうですよ。(Hさん) え〜、だって、K子で鼻はかめないからな〜。 さちこは、Hさんの気持ちがよく分かるそうです。花粉症のひどい時って、 「あ〜、鼻水垂れそう、垂れそう」って鼻水の事以外なんにも考えられなくなっちゃうんだもん、と言っています。
これで奥さんで鼻をかんでしまったら、どうなっていたんだろう??? (by くま)